こんにちは!愛玩動物看護師のツチノコです!
もう愛玩動物看護師国家試験まであと少しですね。
今回は過去の統一試験から、国試の本試験問題を予想しようと思います。
一般財団法人動物看護師統一認定機構のHPに掲載された写真や画像、その他の内容の無断転載を禁じる。
とありますので、ここでの問題は筆者のオリジナル問題になります。
難易度も統一認定試験よりも難しくしていますので、少しでもお役に立てたらと思います。
何種類か問題をピックアップし、それをもとにオリジナル問題を作りました。
まだまだ未完成のため問題は随時更新していきます
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形態機能
家畜化の歴史 (19年 20年)
家畜化の歴史が今から約1万5千年前とされている動物で正しいものはどれか
1. 鶏
2. 犬
3. 猫
4. 豚
5. 牛
答え 2
犬は家畜の中では最古の動物とされています
鶏➡️先祖はセキショクヤケイ 紀元前8,000年に家畜化とされている
猫➡️先祖はリビアヤマネコ 紀元前約8,000年に家畜化とされている
豚➡️先祖はイノシシ 紀元前8,000年に家畜化とされている
牛➡️先祖はオーロックス 紀元前4,000年に家畜化とされている
各動物の先祖、家畜化の歴史についてはまだまだ不明瞭なことがあり、文献でも年数に差があります
一番最初に家畜化されたのは犬は覚えましょう
タイリク(ハイイロ)オオカミから人に懐く個体からどんどん品種改良されていったと覚えるのが良いでしょう
イヌ科の先祖と考えられている動物で正しいものはどれか
1. ミアキス
2. タイリクオオカミ
3. トマークタス
4. プロアイルルス
5. リビアヤマネコ
答え 3
ミアキス➡️イヌ科とネコ科の先祖と考えられている
プロアイルルス➡️ネコ科の先祖とされている
タイリクオオカミ➡️イエイヌの先祖とされている
リビアヤマネコ➡️イエネコの先祖とされている
イエイヌの歴史
ミアキス➡️トマークタス➡️タイリクオオカミ➡️イエイヌ
イエネコの歴史
ミアキス➡️プロアイルルス➡️リビアヤマネコ➡️イエネコ
免疫グロブリン (17年~21年)
Ⅱ型アレルギー、Ⅲ型アレルギーに関係する免疫グロブリンで正しいものはどれか
a. IgG
b. IgM
c. IgD
d. IgE
e. IgA
1 a.b 2 a.e 3 b.c 4 b.d 5 a.e
答え 1
液性免疫が関与
Ⅰ型アレルギー➡️即時型 IgEが関与
ノミアレルギー性皮膚炎
アナフィラキシーショック
アトピー性皮膚炎
Ⅱ型アレルギー➡️細胞傷害型 IgG IgMが関与
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
落葉状天疱瘡
重症筋無力症
不適合輸血
猫ヘモプラズマ
Ⅲ型アレルギー➡️免疫複合体型 IgG IgMが関与
全身性エリテマトーデス(SLE)
伝染性腹膜炎(ウェットタイプ) (FIP)
糸球体腎炎
細胞性免疫が関与
Ⅳ型アレルギー➡️遅延型 T細胞が関与
伝染性腹膜炎(ドライタイプ) (FIP)
結核 (抗酸菌感染症)(ツベルクリン反応)
接触性皮膚炎
移行抗体に多く含まれる免疫グロブリンで正しいものはどれか
1. IgM
2. IgD
3. IgE
4. IgA
5. IgG
答え 5
IgM➡️5量体。血液中のみに存在。感染性微生物に対して初期に最初に出る抗体
IgD➡️血液中には少ない。B細胞表面に多量に存在するが役割は不明
IgE➡️Ⅰ型アレルギー反応に関与。肥満細胞から放出される
IgA➡️1または2量体(主に2量体) 気道や消化管などの粘膜に多く含まれている。異物侵入に対して働く
IgG➡️免疫グロブリンで量が最も多い。血液中組織中に存在し、移行抗体に多く含まれている
初乳に関して誤っているものはどれか
1. 人工乳には免疫グロブリンが含まれている
2. 初乳の投与が不可能だった場合、母親の血清を仔犬、子猫に投与する
3. 初乳を通じての抗体の移行期間は、24時間以内である
4. 犬猫は胎盤と初乳から移行抗体を受け取る
5. 初乳には免疫グロブリンが豊富に含まれている
答え 1
人工乳には免疫グロブリンは含まれていません。
移行抗体は母親の血清を投与することで得られます。
環境エンリッチメント
環境エンリッチメントに含まれているもので誤っているものはどれか
1. 給餌エンリッチメント
2. 認知エンリッチメント
3. 社会エンリッチメント
4. 空間エンリッチメント
5. 感覚エンリッチメント
答え 1
環境エンリッチメントとは飼育動物の飼育環境を整えることにより健康面、動物の福祉を改善すること
メリットとして動物の福祉を向上させる
- 空間➡️飼育環境の構造や設置物、遊具や床材などに関係。綱渡り、潜る、齧るなどの行動特性を再現すること。
- 採食➡️エサの種類や与え方を変えるなど、食物に関係。野生下での苦労して食物にありつける行動を再現すること。
- 社会➡️ヒトや同種固体など、他の動物のかかわりに関係する。社会性を再現すること。
- 感覚➡️飼育動物の視覚、嗅覚、聴覚を含む感覚に刺激を与えること。五感を刺激するように環境を変化させること。
- 認知➡️複雑な操作を行わないとエサが食べられない装置を与えるなど、飼育動物の知性を刺激する。飼育動物が思考できる環境を作ること。
電解質平衡異常
代謝性アルカローシスが見られる病態で正しいものはどれか
1. 熱中症
2. 慢性腎不全
3. 糖尿病
4. 嘔吐
5. 下痢
答え 5
血中の電解質に異常が起こり血中pHが酸性、もしくはアルカリ性に傾くこと
中性➡️酸性に傾くことをアシドーシス
その結果血液pHが酸性になることをアシデミア(酸血症)という
中性➡️塩基性に傾くことをアルカローシス
その結果血液pHが塩基性になることをアルカレミア(アルカリ血症)という
呼吸性・代謝性の2種類がある
PaCO2 動脈血二酸化炭素分圧が関係
PaCO2が関与➡️呼吸性
PaCO2が関与していない➡️代謝性
呼吸性アルカローシスの例
熱中症などパンティングによる二酸化炭素過剰排泄で起こる呼吸性アルカローシス
呼吸性アシドーシスは動物ではあまり見られない
代謝性アシドーシスの例
腎障害による酸の排泄傷害
下痢による重炭酸の喪失(十二指腸液はアルカリ性)
乳酸の代謝障害(過呼吸で筋肉の活動性が上昇➡️筋肉の代謝で乳酸が発生➡️乳酸はpHを下げる)
代謝性アルカローシスの例
嘔吐による酸の喪失(胃酸)
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病や飢餓ではケトン体によるアシドーシスが見られる
①インスリン不足で筋肉などの組織がエネルギー不足になると、肝臓で脂肪が分解されエネルギー(脂肪酸グリセロール)が作られる
②脂肪酸がβ酸化されて、アセチルCoAとなる
③アセチルCoAからケトン体(βヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの総称)が作られる
④ケトン体は筋肉や脳のエネルギー源となるが、酸性なので過剰な蓄積によって血液pHが酸性となる
公衆衛生
毒・中毒 (17年~21年)
中毒の種類として正しいものはどれか
1. 細菌性食中毒=シガテラ
2. 化学性食中毒=PCB
3. 動物性自然毒食中毒=アフラトキシン
4. 植物性自然毒食中毒=テトロドトキシン
5. 寄生虫性食中毒=メラミン
答え 2
1 細菌性食中毒➡️サルモネラ、ブドウ球菌、ボツリヌス菌など
2 化学性食中毒➡️PCB、メタノール、ヒ素、鉛、カドミウム
3 動物性自然毒食中毒➡️テトロドトキシン、シガテラなど
4 植物性自然毒食中毒➡️ソラニン(じゃがいも)、トリカブト(アコニチン)、スコポラミン(朝鮮朝顔)
5 寄生虫性食中毒➡️アニサキス、クリプトスポリジウムなど
アフラトキシンはカビ毒
食中毒の種類として誤っているものはどれか
1. サルモネラ==細菌性感染型
2. ウェルシュ==生体内毒素型
3. 腸炎ビブリオ==細菌性感染型
4. 黄色ブドウ球菌==細菌性毒素型
5. カンピロバクター==細菌性毒素型
答え 5
カンピロバクターは細菌性感染型
サルモネラ
細菌型感染型
原因菌 : Salmonella enterica(サルモネラ エンテリカ)
感染経路 : 卵の生食 爬虫類の常在菌 グラム陰性の通性嫌気性桿菌
腸炎ビブリオ
細菌型感染型
原因菌 : Vibrio parahaemolyticus(ビブリオ パラヘモリティカス)
潜伏時間 : 12時間前後
感染経路 : 海産物
夏に多い
カンピロバクター
細菌型感染型
原因菌 : Campylobacter jejuni(カンピロバクター ジェジュニ) と Campylobacter coli(カンピロバクター コリ) グラム陰性らせん菌 微好気性桿菌
潜伏期間が長い
感染経路 :鳥肉の生食(新鮮であるほど危ない)
ノロウイルス
ウイルス性食中毒
原因ウイルス : 1本鎖RNAウイルス エンベロープなし
潜伏時間 : 12~48時間
感染経路 : カキの生食
冬に多い
病原大腸菌
原因菌 : Escherichia coli(エシェリキア コリ)
グラム陰性桿菌 通性嫌気性菌
O-157は腸管出血性の大腸菌(生体内毒素型)
夏多い
黄色ブドウ球菌
細菌性毒素型
原因菌 : Staphylococcus aureus(スタフィロコッカス オーレウス) グラム陽性球菌 通性嫌気性
潜伏時間 : 1~5時間
ボツリヌス菌
細菌性毒素型
原因菌 : Clostridium botulinum(クロストリジウム ボツリヌス) グラム陽性桿菌芽胞菌 偏性嫌気性菌
潜伏時間 : 8~36時間
感染経路 : 熱に耐性があり、缶詰などで繁殖
症状 : 乳児では蜂蜜が重要。消化器症状の他に神経症状
ウェルシュ菌
生体内毒素型
原因菌 : Clostridium perfringens(クロストリジウム パーフリンゲンス) グラム陰性桿菌
潜伏時間 : 8~12時間
夏に多い
細菌性感染型➡️細菌自体が生体内に侵入、生体内で増殖し食中毒症状を引き起こす
細菌性毒素型➡️食品中に細菌が産生した毒素が食中毒症状を引き起こす
生体内毒素型➡️細菌自体が生体内に侵入、生体内で毒素を産生し、食中毒症状を引き起こす
消毒薬 (17年~21年)
消毒薬の組み合わせとして正しいものはどれか
a. 塩化ベンザルコニウムーー中水準消毒
b. グルタラールーー高水準消毒薬
c. フェノールーー高水準消毒薬
d. 次亜塩素酸ナトリウムーー中水準消毒薬
e. ポピドンヨードーー低水準消毒薬
1 a.b 2 a.e 3 b.c 4 b.d 5 a.e
答え 4
a 塩化ベンザルコニウム➡️低水準消毒薬
c フェノール➡️中水準消毒薬
e ポピドンヨード➡️中水準消毒薬
芽胞菌に効く消毒薬として正しいものはどれか
1. 第4級アンモニウム塩
2. 70%エタノール
3. フェノール
4. 次亜塩素酸ナトリウム
5. クロルヘキシジン
答え 4
芽胞菌に効果があるのは高水準消毒薬(グルタラールなど)と次亜塩素酸ナトリウム(中水準消毒薬)